外用剤の正しいぬり方について

2022.12.22
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当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、軟膏などの外用剤は、ぬり方が悪いと十分な効果がでません。「塗り薬の副作用が心配で…」とか「ベトベトするのが嫌で…」などの理由でしっかりぬれておらず、治るはずの病気が治ってない人はかなりいます。

以下に、正しい軟膏のぬり方を解説していきます。

 

1.簡単な方法

患部に軟膏をのせ、指でやさしくぬり広げてください。すりこむように薄くぬるのは厳禁で、軟膏による光沢感が残るくらいぬりましょう。ぬり終わった後、ベトベトしてティッシュをつけてさかさまにしても落ちないくらいが適量です。

感覚がつかめない場合、下記2に示したフィンガーチップユニットを利用する方法をやってみて、慣れてきたら前述の方法にするといいでしょう。

 

2.より正確にぬる方法(フィンガーチップユニット法)

軟膏チューブを人差し指の先から第一関節まで伸ばした量を1FTU(フィンガーチップユニット)といいます。1FTUを手のひら2枚分の面積にぬります。

*ローションの場合、1FTUはコイン1枚分の面積くらいの量になります。

 

3.複数ある場合のぬり方

乾燥性の湿疹などで保湿剤とステロイドなどの外用剤を両方処方された場合のぬり方を解説します。

①最初にヘパリン類似物質(=ヒルドイド)やワセリンなどの保湿剤をぬります。保湿剤は入浴後すぐに、乾燥している部分全体にぬるようにしましょう。

②つぎにステロイドなどのメインの外用剤を、病変部のみに重ねてぬりましょう。

*保湿剤もステロイドも、前述のぬり方を参照に適量をぬるようにしてください。

 

4.潰瘍などのキズに外用剤をぬる方法

小さな傷であれば、そのまま清潔にした手や綿棒などでぬってしまって大丈夫です。

大きな傷にぬる場合や、直接ぬると痛くてつらい場合は、軟膏ベラや消毒したバターナイフなどで軟膏を清潔なガーゼにのばし、そのガーゼを患部にあててテープや包帯で固定するといいです。

 

5.その他

ベタベタするのが嫌な場合、軟膏ではなくクリームや液剤を使用することもできます。一般的に軟膏の方が肌に優しいため、当院では軟膏で処方する場合が多いですが、どうしても使用感が嫌な場合はご相談ください。

また、副腎皮質ステロイド外用剤の副作用が心配であまり使いたくない…という方も多いです。基本的にステロイド外用剤による副作用は局所的で軽度の場合が多く、正しく使えば怖くないのでしっかりと使ってほしいと考えています。ステロイド外用剤の副作用などに関しては今後のブログなどにて説明していこうと思います。

2022年12月22日 井の頭公園前ヒフ科 院長 石田正

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井の頭公園前ヒフ科

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