伝染性膿痂疹(とびひ)の診断・治療について

2022.08.18
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伝染性膿痂疹とは?

伝染性膿痂疹は黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌に感染することで生じる、皮膚の感染症です。ほとんどが小児に生じます。主に夏に発症することが多いですが、他の季節に生じることもあります。

 

伝染性膿痂疹の症状

細菌が出す毒素により皮膚が障害され、水疱(水ぶくれ)、びらん、痂皮(かさぶた)が生じます。簡単に言うと、バイキンにより皮膚がジュクジュクとただれてしまう病気です。痛みや痒みを伴うこともありますが時に自覚症状がなく、ある程度広がってから初めて家族が気付く場合もあります。全身どこにでも生じる可能性がありますが、特に鼻周囲は好発部位です。

時に湿疹の掻き壊しと見分けが難しく、あせもを掻いているだけだと思って様子を見ていたらとびひだったというようなケースもあります。めったにありませんが、悪化するとブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)という重症型に移行し、発熱や全身の皮膚のただれ等が生じることもあるため、とびひかも?と思ったら早めに受診することをおすすめします。

 

伝染性膿痂疹の治療

抗生物質の塗り薬や飲み薬を使用して治療します。菌を物理的に除去することも大事なので、毎日患部を石けんとシャワーでしっかりと洗い流しください。治療が中途半端だと再発しやすいので、医師の指示に従い、しっかり最後まで治療を受けてください。

アトピー性皮膚炎やあせもなどでステロイド外用薬やタクロリムスなどの免疫抑制作用のある外用薬を使用中の場合は、原則としてとびひの部位には使用を控えてください。ただし、皮膚炎がひどくこれらの外用剤を中止することによりかえって悪化してしまう場合もあるため、判断が難しいようであれば受診し医師にご相談ください。

 

生活の注意点

人から人にうつる病気ですので、患部はガーゼや絆創膏などで覆われた状態にしておきましょう。他人との接触やプール遊びは治るまで厳禁です。物を介してうつる場合もあるため、タオル等の使いまわしは避けてください。

 

 

2022/8/18 井の頭公園前ヒフ科 院長 石田正

〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1-12-5

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井の頭公園前ヒフ科

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