スギ花粉症の舌下免疫療法(シダキュア)について

2014.10.16
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井の頭公園前ヒフ科ではスギ花粉症の舌下免疫療法治療薬「シダキュア」を処方しております。
これは、スギ花粉エキスを少量より舌の上に乗せ、徐々にスギ花粉に対する過敏性(アレルギー)を弱めていくという治療法です。今までのような、症状を抑えるだけの治療法と違い、場合によっては、花粉症の根治も期待できます。
本治療法はスギ花粉が飛散していない時期(6月~11月末ころ)に治療を開始し、数年は継続する必要があります。
また、全ての患者さんに効果が期待できるわけではありません。
治療によってスギ花粉に対するアレルギーが生じてしまう危険性もあり、治療開始にあたっては、医師とよく相談して決める必要があります。
そのため、治療前によく理解していただき納得した上で治療を受けていただく必要があります。

舌下免疫療法をご希望の方は、まず下記の案内をご覧いただき、当院を受診してください。

1.花粉症の中でも、スギのみに対する治療法です
※治療前にスギ花粉症の確定診断のための検査が必要です。当院で検査済または、他院での検査結果をお持ちの方は不要です。

2.2年以上内服する必要があります
最低2年以上、なるべく3年以上の服用が推奨されています。その間、毎日の服用が必要です。また、一度症状が落ち着いても、花粉症が再燃すれば、再度、服用が必要になる可能性があります。
治療中は月に1回程度の定期的な受診が必要です。

3.すべての方に効果があるわけではありません。
本治療によって症状が軽減するのは8割程度で、1~2割の方には効果が出ないといわれています。また、お薬を服用しなくても済むくらい改善するのは、1~2割程度といわれています。その他の方は、症状が軽減したり、内服薬を減量できたりすることが期待されます。また、治療終了後は長期間にわたり効果が続くといわれていますが、再燃することもあり、その際は再度の治療が必要になることもあります。

4.年齢、持病等により、服用できない場合があります。以下をご確認ください
〈投与ができない方〉
・5歳未満
・重症の喘息患者
・β遮断薬服用中 〈高血圧、狭心症その他の心疾患の薬〉
例)インデラル、セロケン、アテニロール、アーチストなど
・治療開始時に妊娠している
・全身的な重篤な疾患に罹患中
例)悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症、慢性感染症
・全身ステロイド薬(内服、注射)や抗がん剤を使用中
・重症の口腔アレルギー症候群
・急性感染症に罹患中(治療開始時に発熱を伴う感冒などに罹患している)
・転居予定があるなど、継続的な通院が困難である
〈その他の注意薬剤(治療対象外ではないが注意が必要)〉
・三環系抗うつ薬、MAO阻害剤服用中(ショック時の治療に抵抗する可能性があるため)

5.本治療によりアレルギー反応が起こる可能性があります。
このため、初回服用は当院内で行います。その後30分間、院内で安静にして頂き、副作用の発現がないかどうか、経過観察が必要です。2回目以降は自宅で行います。
考えられる副作用は、
≪局所的な副作用≫
・口腔内症状(口腔内のかゆみが一番頻度が多いです。その他は、口唇浮腫、口腔粘膜や舌の腫脹、潰瘍(キズ)、咽喉頭の刺激感など)
≪全身的な副作用≫
・アナフィラキシーショック・・・多くの場合、服用後30分以内で発症し、じんましんなどの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然の蒼白、意識の混濁などのショック症状が現れることをいいます(今のところ、死亡例はありませんが注意が必要です)
・喘息様症状・・重症な全身的な副作用として、入院例も報告されています
・腹痛、嘔吐などの消化器症状
・鼻炎、結膜炎、じんましん、全身のかゆみなど

6.治療方法、スケジュール
「シダキュア」という薬剤を1日1回、舌下に滴下し2分間保持してから飲み込みます。
その後、5分間はうがい、飲食を控える必要があります。

ご不明な点があれば、遠慮なく、来院時に当院スタッフ、医師におたずね下さい。

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井の頭公園前ヒフ科

皮膚科/アレルギー科 dermatology/allergology