帯状疱疹ワクチンについて

2022.05.27
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井の頭公園前ヒフ科では、帯状疱疹の予防目的に50歳以上の方にワクチンの接種を行っております。帯状疱疹はだいたい10人に3人が発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症や重症化する確率を下げることができます。

帯状疱疹について

ほとんどの方は子供のころに水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に感染します。初めて感染した際は水痘(水ぼうそう)になることが知られていますが、感染しても無症状のこともあります。VZVはいったん感染すると体からいなくならず、ずっと神経に潜んでいます。これを潜伏感染といいます。

潜伏感染しているVZVは様々なきっかけで再び増殖し(再活性化)、帯状疱疹という病気をおこすことがあります。帯状疱疹は、VZVが体の片側の神経に沿って再活性するため、通常からだの片側のみに帯状に水疱(水ぶくれ)が多発し、神経痛をおこします。ほとんどの方は問題なく治癒しますが、一部の方は神経痛が残ってしまったり(帯状疱疹後神経痛といいます)、視力低下や顔面神経麻痺などといった後遺症を残すことがあります。帯状疱疹は早期治療が重要な病気であり、もしやと思ったらすぐに医療機関を受診する必要があります。

ワクチンの種類と効果

帯状疱疹に対するワクチンとして、生ワクチン(ビケン)と不活化ワクチン(シングリックス)の2種類があります。どちらも50歳以上から接種可能です。

生ワクチンは1回接種で帯状疱疹の発症率を約半分に、帯状疱疹後神経痛の発症率を1/3程度にできると言われています。生ワクチンは弱毒化されているものの病原性が若干はあるため、ステロイドや免疫抑制薬などの内服を行っている方、免疫不全となるような持病をお持ちの方には接種できません。

不活化ワクチンは2回接種が必要です。接種間隔は2か月で、遅くとも6か月以内に2回目の接種を行います。生ワクチンと比べ高額ですが、不活化ワクチンのメリットとして高い有効率があり、帯状疱疹の発症予防効果は50歳以上の人で約97%、70歳以上の人でも90%程度と報告されています。さらに帯状疱疹後神経痛に関しても88%と高い予防効果が示されています。免疫不全者へも接種いただけます。接種後の倦怠感や局所の腫れ等が、生ワクチンと比較して強いといわれています。

生ワクチンと不活化ワクチンの違いを下記の表にまとめます。接種非対象者でなければどちらを選択されても大丈夫ですが、判断に悩まれるようでしたら一度ご受診ください。

  生ワクチン(ビケン) 不活化ワクチン(シングリックス)
効果
接種回数 1回 2回
価格
副反応 あまりない やや強い
対象 50歳以上

免疫不全者には不可

50歳以上

免疫不全者でも可能

 

 

ワクチンの費用

ワクチンの費用は以下の通りです。

*2023年6月1日から、三鷹市に住民登録のある50歳以上の市民に対して市の助成金が出ますので、対象者はより安い金額で接種可能です。対象者は接種時にマイナンバーカードや保険証など、住所の確認できる公的書類を、生活保護受給者は保護証明書を必ずご持参ください。

シングリックスに関しては通常は2回分とも助成の対象になりますが、1回目接種から2~6か月以内に接種しない場合、2回目は助成の対象外となります。

費用(税込) 生ワクチン(ビケン) 不活化ワクチン(シングリックス)
通常 7700円 1回22000円(要2回)
助成対象者

(50歳以上の三鷹市民)

3700円 1回12000円(要2回)
助成対象者

(50歳以上の三鷹市に住民登録のある生活保護受給者)

0円 1回2000円(要2回)

 

ワクチンのお取り置きに関して

帯状疱疹予防ワクチンは予約なしでも打てますが、在庫がない場合もありますので、確実に接種したい方へはワクチンのお取り置きをお電話にて承っております。

 

井の頭公園前ヒフ科(2023/5/23改定)

 

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井の頭公園前ヒフ科

皮膚科/アレルギー科 dermatology/allergology